「残業時間の上限は、原則として月45時間・年間360時間とし、臨時的な特別の事情がなければこれを超えることはできません。」と、厚生労働省の働き方改革特設サイトに、時間外労働の上限規制について掲載されていました。
※施行は大企業で2019年9月から、中小企業では2020年4月からとなっています。
働き方が見直され、効率よく時間を使い生産性を上げるために、いかに業務を分担していくかということが問われています。そこで今日は業務分担スキルについて考えていこうと思います。
時間外労働が80時間を超えると、心疾患や精神疾患による過労死の危険性が高くなると言われていますので、これまで会社から強要されていた残業問題は緩和されることが期待できそうすが、自らの意思で残業をおこなっている人もいます。
いわゆる、「仕事を抱え込む」人です。
この業務分担スキルが高いと、自分や部下の能力に応じた仕事を的確に割振りすることができるのですが、低いと仕事を抱え込んでしまうという事が起きます。
仕事を抱え込む理由の一つとして、ミスができない大事な仕事だから人に任せられない、というものがあります。
これをもう少し掘り下げてみると、この重要な仕事をやっている自分は会社にとって「居ないと困る存在」だ、と思いたい。自分は会社にとって「必要な存在」だ、という自己満足感を得たいのです。
そもそも、人は社会的承認欲求がありますから、逆に言うと自分は必要な存在なのだろうか?という不安を抱えています。
その不安が大きければ大きいほど不安をかき消すように仕事をして、他の人に仕事を振ろうにも振れずに仕事を休めなくなってしまうという悪循環に陥ってしまうのです。
この場合、仕事に自分の存在を投影しているわけですから、抱えた仕事を手放すのはとても勇気がいります。ではどうすればいいか。
それは目の前の仕事に捕らわれず、少し先をイメージしたり、次のステージを目指してみるのがいいでしょう。
例えば部下との信頼関係を築き、仕事を教える、任せるという「人を育てる」ステージに上がることで、仕事を抱え込むことなく自己満足感を得るのです。
人を育てるためには、様々なことを部下にやってもらわなければいけないので、業務分担スキルが向上していきます。
ただし、業務分担スキルが高いのは、良いことばかりではありません。
勿論、それが長所として現れれば、人材を適材適所に配置したり、能力に応じてチャレンジしやすい業務を割り振ることができますので、会社にとっても重要な存在になるでしょう。
しかし、これが短所として表出するとどうなるでしょうか。
「これは私のやる仕事ではない」「これくらい誰でもできる仕事」などと、自分本位に仕事を任せてしまうにもかかわらず、部下に対して「よくやった」等と褒めることもしない。
こんな風に、次々に無茶ぶりを繰り返してしまうと、部下からパワハラだと訴えられる可能性も考えられます。
この業務分担スキルの高さがリスクとなってしまうのを食い止めるにはどうすればいいのでしょうか。
このタイプの人たちは能力が高く、難しく思える仕事には俄然やる気を燃やすのですが、誰にでもできる簡単な仕事には興味がない、という特徴があります。
つまり、その仕事の必要性や重要性が見えていないのですから、「あなたが」それをやる意味、目的や目標を考えてもらうと良いでしょう。
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株式会社シェヘラザード 邑本なおみ